専門家が伝授!動物保護に携わる方法

保護猫について

犬や猫の殺処分に心を痛めています。
何か出来ることはありませんか?


今日は、犬や猫の保護に携わる方法についてお話していきたいと思います。

日本の現状

日本では、現在も犬や猫の殺処分が毎日行われています。

令和元年度の犬猫の殺処分数について

殺処分数5,63527,108
2019年度殺処分数(環境省発表)

その数の多さに無力感に苛まれることもありますが、ひとつひとつ出来ることをしていき、将来的には処分数をゼロにしていく必要があります。
これは、一部の保護団体さん、NPO、ボランティアさんのみで行えるものではなく、社会全体で取り組むべき問題です。
一部の地方自治体の愛護センターでは、殺処分ゼロという目標を掲げ、達成しているところもありますが、まだまだ少ない取り組みで、ボランティアさんに頼っているのが現状です。

職業として保護譲渡を行なっている団体に就職する

犬や猫の保護・譲渡を行なっているNPOや企業に就職する方法があります。
一般的には、給料は少なく、拘束時間が長く、体力や精神力はかなり必要な職業となります。
犬や猫が好きというだけでは、続かず、犬や猫を助けたい、そのためには何でもするぐらいの覚悟が必要です。
楽しいことより、辛いことの方が多いかもしれませんが、助けるという意味では、自分の価値観にあった場所を見つけると一番貢献出来る方法だと言えます。
譲渡数や助けられる数が増えれば、やりがい、生きがいにも繋がります。
フルタイムでなくても、パートアルバイト勤務も出来ます。

また、保護犬カフェや保護猫カフェに就職したり、自分で立ち上げることも一つです。
こちらも同様に給料は少なく、拘束時間は長くなる傾向にあります。自身で立ち上げる場合は、相当な覚悟、資金、経験、知識が必要になってきます。かなりの経験を積んでから検討していきましょう。

保護施設にボランティアとして貢献する

上記の項目のような覚悟は持てないけど、犬や猫を助ける手助けをしたい!という方は、保護施設や保護犬・猫カフェでボランティアとして貢献する方法があります。
犬や猫の保護施設では、感染対策のために掃除や消毒などの環境管理にはかなりの時間や人手を要しますし、お世話や遊び相手、トレーニング、散歩など、毎日行うことは多く、それでも1匹1匹に十分な時間を割いてあげれないことが多くあります。
週1日からでも受け入れてくれる団体などありますので、お近くの募集しているところに問い合わせてみてください。
誰でもが参加出来るわけではなく、面談などがあります。
団体によって、決められたルールなどがありますので、しっかり守り、迷惑をかけないようにする必要があります。

ミルクボランティアをする

自治体の愛護センター、保健所によっては、ミルクボランティアを募集しているところがあります。
子猫は、離乳するまで、母猫か人がお世話をしないと自力では生き抜くことが出来ません。
愛護センターには、母猫から引き離され、子猫だけで持ち込まれるケースが多くあります。そういった子猫を離乳するまで育てるのが、ミルクボランティアです。
ミルクボランティアとして登録するには、自治体などが行うセミナーなどを受講する必要があります。
子猫の週齢によっては、2〜3時間おきに排泄介助、ミルクを与えなくてはいけない為、基本的には主婦や在宅でお世話出来る方しか行えないボランティアです。
一番可愛い時期に携わることが出来、大変ではありますが、やり甲斐のあるボランティアと言えるでしょう。
民間の保護団体さんでも募集している場合がありますので、お近くのところに問い合わせてみてください。

ミルクボランティアを必要とする子猫たち

一時預かりボランティアをする

保護した猫たちは、伝染病や感染症の恐れがあるため、一定期間隔離をする必要があります。
保護猫カフェや保護団体さんでは、こういった猫の一時預かりを募集しているところがあります。猫を飼ってみたいけど、まだずっと飼えるか自信がないと言った方や今から20年はお世話出来ないけど猫と触れ合いたいというシニアの方にオススメです。
ただ、人馴れしていない可能性もあり、「シャー」など威嚇や猫パンチを浴びせられる可能性もありますが、人馴れトレーニングをしながら、少しずつ心を許してくれる瞬間に立ち会えると感動ものです。
最初は、人馴れしている子から、預かりを始められたりもしますので、こちらも保護猫カフェや保護団体さんに問い合わせて、相談しながらはじめていきましょう。
預かっている間に必要なフードや消耗品、医療費は、申請すれば負担してくれるところも多いので、始める前に必ず確認してください。
お世話しているうちに情がうつって、手放したくないという場合も審査などが通れば、そのまま飼育できる可能性もありますが、一時預かり出来る場所は、猫を保護していく上でとても重要になりますので、出来るだけ手放して、次々受け入れていけるのが理想的で、救える命が増えます。

TNR活動に参加する

「TNR」ってご存知でしょうか?

Trap(トラップ): 捕獲すること
Neuter(ニューター): 不妊手術のこと
Return(リターン): 猫を元の場所に戻す

野良猫を捕獲して、これ以上増えないように捕獲し、不妊手術を施し、元の場所に戻す活動です。
不妊手術を施された猫は、手術済みであることを証明するために、さくら耳と呼ばれる耳カットを施され、さくら猫となります。手術後は、餌やり、トイレ掃除などを行いながら、一代限りの命として見守ります。

人手が必要なのは、捕獲機を設置したり、捕獲して病院に連れていく、手術後にお迎えに行ってリターンする、餌やトイレ掃除をするなど、役割分担しながら、行っていきます。
こちらも個人でされているボランティアさん、保護団体さんなどがいるので、お手伝いという形で行います。慣れてきたら、個人でも月に何匹かを行っていくことも可能です。
ただお伝えしているように、猫の繁殖能力は高いため、やると決めたら、その地区を一斉に行わないと意味がありません。

寄付をする

保護施設や保護猫カフェ、保護犬カフェなどに直接行ってボランティアしたり、勤務したりすることは出来ないけれど、何か貢献したい!という方にオススメなのが、「寄付」です。
直接店頭で、寄付金を入れたり、振込先が掲載されている団体もあります。
SNSなど見ると、保護した猫や犬が掲載され、病気のために治療費が必要であったり、物資が足らないというお願いを掲載している場所もあります。

また、Amazonでは、動物施設支援プログラムというものがあり、動物保護を行っている保護施設が、足らない物資をほしい物リストに掲載し、寄付を募っています。
簡単な施設の紹介なども行っていて、匿名で寄付を行う事もできます。購入した商品は、Amazonから直接発送されますので、2重に送料が掛かることもありませんので、お手軽に支援が出来る画期的な仕組みです。

寄付金は現金なので、治療費や緊急で必要になった物資などを購入出来るため、使い道が幅広く助かります。ただ、動物たちのために本当に使ってもらえるかなど、心配もあるかと思います。
寄付を現金で行う場合は、必ず寄付金の収支を明確にしているところがオススメです。月に一度収支報告を行っている場所を選びましょう。
株式会社などを設立しているところは、利益目的で行っているので、収支を明らかにしていないため、避けた方が無難です。

まとめ

日本の動物保護は、先進国の中でもいまだに大幅な遅れを取っています。
まずは、現状を知り、無理のない範囲で、長く続けられる活動を行っていくこと、また、その活動をたくさんの人に知ってもらい、賛同してくれる仲間を見つけて、活動の輪を広めていくことが大切です。
殺処分されていく犬や猫のために、あなたが出来ることが見つかりましたか?
小さなことでもいいので、少しずつ始めていただければ、幸いです。

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