猫の歯肉口内炎について

猫の病気

猫が口内炎になって、
ステロイド打ってますが、
何か他に治療はありますか?

口内炎が痛くて食べれず、抜歯を勧められましたが、
まだ若いし、他の治療できませんか?


今日は、猫の口内炎についてお話ししてみようと思います。
実は、私の猫も1歳から口内炎を患っていて、現在は完治していますので、参考になればと思いました。

猫の口内炎とは?

口腔の内側を覆っている粘膜の炎症で、歯肉炎や歯周炎にとどまらず、粘膜下まで広がっている炎症のことで、尾側粘膜(口を開けて奥の部分)の炎症が認められる場合を猫の歯肉口内炎と呼びます。

一方、猫の7〜8割が発症すると言われているのが、歯周病で、歯肉口内炎との違いは、この尾側粘膜に炎症があるかどうかが大きく関わってきます。

歯肉口内炎の症状

  • 口に痛みがある
  • 痛みによって、食欲が減る、または無くなる
  • よだれ
  • 口臭
  • 出血
  • 体重減少
  • 口のあたりを触られるのを嫌がる
  • 下顎リンパ節の腫れ
  • 元気消失

猫の口内炎の画像は、こちらから確認してください。

初期の頃は、比較的、気付きにくいかもしれませんが、酷くなってくると、口腔内に強い痛みがあることで、食欲が無くなったり、毛繕いが出来なくなって毛艶が悪くなったり、ヨダレが出たり口の周りを擦ることで、手が汚れて悪臭を放つこともあります。
上記のような症状がある場合は、必ず、口を大きく開けて奥まで確認するようにしてください。
歯肉口内炎の猫は、口を開けると嫌がったり、怒る可能性がありますので、その場合は、動物病院などで確認してもらいましょう。

参考までに、私の猫の歯肉口内炎になった際に気付いた症状です。

うちの子の場合(当時10ヶ月、メス)
避妊手術済み、5種ワクチン接種済み、猫エイズ・白血病ともに陰性

・重い猫風邪を引いて、開口呼吸になり(口臭あり)、病院で治療。
・その後、風邪、口内炎の症状は無くなる
・口内炎だけ数ヶ月もせず再発
(口臭、食欲がなくなり、再発に気づく)
・半年後、痛みで食べれず、食事中に叫び声をあげ、ご飯を見ると逃げるようになる
・性格も消極的になり、1匹静かに過ごすことが多くなった

ヨダレなどは出ていませんでしたが、口を開けても叫び声をあげ怯えるほど、痛みが相当あり、患部もすぐに出血するような状態でした。

歯肉口内炎になる原因

歯肉口内炎の原因は、実はまだ解明されていないのが現状です。
しかし、発症に大きく関係するであろうと言われているのが、ウィルス感染や細菌です。

ウィルス感染

  • 猫カリシウィルス感染症
  • 猫免疫不全ウィルス感染症(猫エイズ)
  • 猫白血病ウィルス感染症
  • 猫ヘルペスウィルス感染症

この中でも、猫カリシウィルスは、歯肉口内炎を発症している猫の粘膜から検出される確率が高く、大きく関与していると言われています。

うちの子の場合
・猫風邪の症状があったため、カリシウィルス感染症が強く疑われた

治療法

治療法は大きく分けて、内科的治療と外科的治療があります。

内科的治療

  • 抗生剤
  • インターフェロン
  • 鎮痛剤
  • シクロスポリン
  • ステロイド

外科的治療

  • 抜歯
    全臼歯抜歯(犬歯より後ろの歯を全て抜歯)
    全顎抜歯(全ての歯を抜歯)

上記の治療と併せて、

  • サプリメント
  • インタベリー
  • 口腔内清掃

症状に合わせて、上記の中から治療法を探していきます。
軽度であれば、インターフェロンを1クール接種してみて、改善があるかどうか確認しますが、原因が定かではないですが、現状では全臼歯抜歯(60%が改善)、全顎抜歯(90〜95%が改善)を早期に行い、内科的治療を併用していくことが推奨されているそうです。

うちの子の場合

  • 1歳と若かったため、抜歯に抵抗を感じ、インターフェロン1クール接種
    (接種後改善は見られたが、接種しないとまた再発)
  • 数種類の乳酸菌、サプリメントなど試す
    (あまり改善は見られず)
  • 消炎鎮痛剤を服用後、症状が落ち着いてから、全臼歯抜歯
  • 東洋医学受診、漢方服用して、半年で完治

猫カフェで働いていた時は、口内炎の子が多くいて、症状が軽度の子は、猫風邪を引いた時やストレスが強い時に、口内炎が出て、インターフェロンで改善が見られました。
その後は、やはり同じような時に再発しましたが、一時的なもので、それ以上の悪化は見られませんでした。
うちの子の場合は、尾側が真っ赤になり、食べれないほどに悪化したため、全臼歯抜歯を行いました。
手術翌日には、元気に動いて、問題なくご飯も食べれました。口内炎で苦しんでいた時の方が痛かったようです。(痛み止めは服用しています)
術後は、口内炎の改善が見られれば、ドライフードも問題なく食べれますので、安心してください。

同じ病気に苦しんでいる猫の飼い主さんにお伝えしたいこと

猫の口内炎は、難治性であり、長引かせると治癒率が下がるとも言われています。
ステロイドは特効薬で、一旦接種すると、嘘のように症状が改善しますし、食欲も出て飼い主は安心しますが、一生涯接種し続けると確実に副作用が出ますし、効果も薄れてきます。

うちの子の歯肉口内炎を体験して感じたのは、インターフェロンなど内科的治療をしても改善しない場合は、思い切って早期に全臼歯抜歯を行った方がいいということです。
それでも改善せず、生活に支障が出る場合は、全顎抜歯に踏み切り治る可能性に賭けてみましょう。

また、歯根の一部が少しでも残ったり、歯の抜き忘れがあったり、歯を削るというやり方では、口内炎の症状は、残ります。
術後に歯科レントゲンを撮って、歯の抜き忘れがないかどうかしっかり確認してくれる病院を選ぶことも大切です。

抜歯は、一番の治療法となり得ますが、しっかりと生えている歯をたくさん抜くので、猫にとってはかなり負担のかかる手術と言えます。
信頼のおける病院で、術前検査を行ってもらい、麻酔に耐えうる身体であるかなど、納得がいくまで相談して決めてください。

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