専門家が解決!猫がトイレ以外の場所でオシッコする時の解決方法

猫の飼い方

飼い猫がトイレ以外のところで、
オシッコしちゃって、困っています。

猫を飼っていると、一度は猫のトイレ以外での排泄に悩まれたことがある方が多いのではないでしょうか。
猫のオシッコは、独特の強い臭いを発し、一度されるとなかなか臭いが取れず、飼い主の精神的な負担が大きいと思います。
こういった時に考えられることや解決方法、またトイレ以外の場所にされた時の対処方法をお伝えしていきます。

不適切排尿とスプレー行動の違い

猫がトイレ以外の場所で、オシッコ(排尿)をしてしまうとき、不適切排尿とスプレー行動に分けられます。
この2つの違いについてまとめました。

不適切排尿
  • 尿の量は大量(少量の場合もある)
  • 座って、排泄する
  • うんちもトイレ以外でする場合もある

※ウンチもトイレ以外の場所でしてしまう時は、不適切排泄と言います。
考えられる病気は違ってきますが、解決方法や理由は不適切排尿と変わりませんので、参考にしてみてください。

スプレー行動
  • 尿の量は少量
  • 立ったまま、尻尾をブルブルさせながら排泄する
  • 壁など垂直方向に行う
  • うんちはトイレでする

おうちの猫ちゃんは、どちらのタイプでしたか?
このタイプによって、原因や解決方法が変わってきますので、タイプ別に解説していきます。

不適切排尿

不適切排尿は、様々な原因が考えられます。ひとつずつチェック、改善していき、トイレの失敗が無くなるようにしてきます。

健康状態の確認

不適切排泄が始まった場合、必ず一番最初にチェックしていただきたいのが、健康状態です。

考えられる疾患
  • 泌尿器系の問題
    (膀胱炎、腎不全、尿路結石など)
  • 糖尿病
    (多飲多尿となる)
  • 脳神経疾患、認知など

病気によって症状が違うため、病気について調べて当てはまる症状があれば、必ず動物病院で受診してください。
トイレ以外の場所で排泄してしまう場合、これらの病気の可能性が必ずしも高いというわけではありませんが、まずは最初に疑って、可能性を排除する必要があります。

トイレの見直し

健康であることが確認できたら、次は、トイレの見直しを行っていきましょう。

  1. 猫がトイレを嫌がっていないか
  2. トイレ本体や猫砂の問題
  3. 常に清潔なトイレであるか
  4. トイレの数の問題
  5. トイレを置く場所の問題


猫がトイレを嫌がっているサインは、ご存知ですか?

下記は、トイレの選び方を書いた記事ですが、トイレを嫌がっているサインについても書いていますので、愛猫が嫌がっているサインを出していないか確認してください。
嫌がっているサインを出していたら、トイレ本体の見直しと使用している砂の見直しをしてください。

また、猫は綺麗好きですので、排泄物が既にあるトイレや、汚いトイレは入ることを嫌がったり、違うところでする原因となります。トイレは、常に清潔な状態をキープしておくことが大前提です。

理想的なトイレの数は、頭数プラス1と言われていますが、家の広さと行動範囲によっては、多めに用意しておくといいでしょう。
お留守番の時間が長時間で、家に帰ってくると、トイレがかなり汚れている場合は、常に清潔なトイレは用意出来ていないので、数を増やしてあげるといいでしょう。
多頭飼育で、特定の子がトイレに行きにくい状態なのであれば、それも改善する必要があります。トイレの場所、数を増やすなど工夫して下さい。

トイレの置く場所は、暑すぎず、寒すぎないところで、猫の生活圏内においてください。生活圏内とは、猫がご飯を食べたり、お水を飲んだり、よく寝て、よく遊び、よくいる場所です。
ただし、ご飯やお水の場所の真横に置いたりせず、そこからは少し離してあげてください。(人間も食卓の真横にトイレは、嫌ですよね。)
突然、大きな音が鳴る可能性の高い場所は、トイレの置く位置としてふさわしくありません。
玄関や部屋の扉付近、洗濯機の近く、テレビの横など。
猫は、排泄中に怖い思いやビックリした出来事、嫌な思いなどをすると、そのトイレを嫌がって、不適切排泄をし始めることがあります。
必ず、落ち着いて排泄出来る場所に置いてください。

猫がどんな状態(健康に問題があったり、精神的な問題、多頭飼育での環境)であっても、どの子も気軽にトイレに行ける環境を常に提供してあげることが大切です。

精神的な問題

トイレの見直しを行っても、改善が見られない場合は、精神的な問題の可能性もあります。。
長時間の留守番が寂しかった、飼い主さんに甘えたい、一緒に遊びたいなどの欲求が満たされず、アピールとして行いたい、不安感がある、多頭飼育下でのストレスなど。
思い当たることなどがあれば、改善してあげてください。

長時間のお留守番そのものを改善できなくとも、一緒にいる時間は、スマホやテレビを見ずに、オモチャで一緒に遊ぶ、撫でたりして、しっかりコミュニケーションを取れる時間を設けてあげてください。

失敗しやすい物を物理的に排除する

失敗する状況を分析し、その状況を物理的に作らないことが大切です。
ふわふわの毛布にする場合は、ふわふわの毛布を置かない、または、お留守番の時だけ置かないなど、失敗しやすい状況を避けるようにして、習慣化させないようにしてください。

臭いは徹底的に消す

一度された場所は、何度もする可能性がありますので、必ず臭いを徹底的に消すようにしてください。
消臭力の強い洗剤で洗い、捨てれるものは、捨てます。
床などは、バイオウィルなど塩素系の消毒液を使用しましょう。

また、どこに尿があるかわからない場合は、ブラックライトなどで探すのがオススメです。


このライト、すごく便利です!
暗闇で使用すると、尿がある部分が光って見えるのはもちろん、埃なども光って見えるので、掃除するのにもオススメです。
猫の多頭飼育や保護猫にも多い真菌症も、ピカピカ光って見えるので、1つは持っておきたい物です。
(真菌は必ず光るわけではありません。)
注意点は、猫の目に当てないようにしてください。

スプレー行動

スプレー行動は、排泄行為ではなく、縄張りの主張、自分のアピールとして行うマーキングと呼ばれるものです。
通常、量は少なく、膀胱を空にはしません。尻尾をブルブルと震わせて、壁など垂直方向に行い、尿の臭いは強烈です。
多頭飼育下でのストレスや不安、飼い主への主張や他の猫へのアピールなどのためにも行います。

去勢をする

スプレー行動が始まる前に、去勢することがオススメです。
スプレー行動が習慣化してしまっている場合は、去勢しても直らない場合がありますので、まずは早期去勢を行います。

過密すぎる多頭飼育はしない

猫にもパーソナルスペースが必要です。相性が良くない猫と狭い空間にいると、かなりのストレスが生じます。適切な健康管理を行う上でも、過密な多頭飼育は行うべきではありません。

フェリウェイを使用する

フェリウェイと呼ばれる猫の頬から分泌されるホルモンを人工的に作った製剤があります。
このホルモンには、猫をリラックスさせる効果があり、ストレスを緩和させると言われています。
引っ越しや、新しい猫を迎えるなど、環境の変化がある時、多頭飼育や何らかのストレスがある時に使用してみると良いでしょう。
使用したからといってすぐには改善は見られないかもしれないですが、長期的に使用してみて、改善が見られるかどうか試してみてください。


使い方は簡単で、猫がいるお部屋のコンセントに挿しておくだけ!
人間には少し匂いがする程度で、あまり気になりません。
猫たちも最初興味津々で、匂いを嗅ぎにいきますが、そんなに気にしなくなります。
空焚きしないように残量は、必ずチェックしておき、埃などかぶらないようにしてください。

猫にしつけはできるの?

猫にトレーニングは可能です。
お手も簡単に出来るようになります。

しかし、体罰で猫の行動をコントロールすることは不可能です。
猫がトイレの粗相をしてしまった時、よく言われていたのが、「失敗した場所に連れていき、頭を押し付けて、体罰をする」というやり方。
全く意味がありませんので、絶対にしないでください!!!!!
意味がないことは、猫の行動学的にも証明されています。

犬も猫も体罰で躾けるというやり方は、タイミングや強さの問題もあって、そもそも不可能です。
決められたトイレで必ず行って欲しいという人間の希望の行動が取れるように、まずは、病気がないかどうかを確認し、トイレや環境の改善を行ってください。

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