猫を保護したらするべき8つのこと

保護猫について

猫保護したんだけど、

どうしたらいいですか?

元気そうだけど、
病院連れて行った方がいいかしら?

連れて帰っても、
今いる子に病気うつらないかな?


1月を過ぎると、子猫が生まれ始め、3月からは子猫の保護シーズンを迎えることになり、こういったご相談がかなり増えます。

今日は、上記のご相談にお答えしていこうと思います。

まずは病院へ連れていく

猫を保護したら、まずは、病院へ連れていき、全身の状態を確認してもらいましょう。
(乳飲み子であれば、それよりも先に、身体が冷えていれば温めて、オシッコさせてミルクを飲ませてあげるのが一番良いです。)

病院に行くと、性別、およその年齢を教えてくれます。全身の状態に合わせて、必要な検査、治療をしてくれます。
保護した猫が大きな怪我がなく、命の危険がない場合に行っていくことについて説明していきます。

保護した猫が成猫だったり、首輪が付いている場合は、保健所・愛護センター・警察に届け出て、飼い主さんを探しましょう。念のため、動物病院でもマイクロチップが入ってないか確認してもらってください。

外部寄生虫の駆虫

保護したら、まず、外部寄生虫を駆虫していきます。
いわゆるノミ・ダニのことです。
これは、ついている可能性の方が高く、このまま家に連れて帰ってしまうと、家中がノミだらけになってしまうので、まずは、病院へ連れて行ってしてもらいたいことです。ノミは、非常に小さく、跳びます。目視で見ても、ノミを実際に見たことがなければ、見つけられない可能性もあります。
1匹でもいたら、爆発的に繁殖する可能性があるので、必ず駆虫してもらいましょう。

内部寄生虫の駆虫

これは、お腹の中にいる虫のことです。
ノミがいたら瓜実条虫がいる可能性もあります。その他にも回虫、蛙を食べていたらマンソン裂頭条虫など様々な寄生虫がいます。
外部寄生虫の駆虫薬で一緒に駆虫出来るものもあります。


病院に行くと、体温を測ってくれるので、その時についた便で検便をしてもらいましょう。
便の量が少ないので、検出率が低いため、後日、採れたての便を病院に持っていって、再度検便してもらいましょう。

ウィルスチェック

猫には、猫同士感染する伝染病があります。
中でも一旦感染すると一生涯治らないので、気をつけてもらいたいものが、猫白血病(猫白血病ウィルス感染症)・猫エイズ(猫免疫不全ウィルス感染症)です。
これらは人間と同じような名前を持っていますが、人間にうつることはありませんが、もし既に猫を飼っていて、保護した猫を連れて帰ると言う場合は、注意が必要です。
エイズは、人間のエイズと同じように感染力も低く、お互いが流血しあうようなケンカなど濃厚な接触がないと感染しないので、同じ空間で飼育していても感染するリスクは低いと言われています。
また、感染しても、発症せず、寿命を全う出来る子もいます。
しかし、白血病は、感染力が高く、健康な猫と一緒に飼うことは出来ませんので、隔離が必要になってきます。

私は、既に猫を飼っていますので、猫を保護したら必ずこの時点で、一回ウィルスチェックを行います。
しかし、これらのウィルスには、感染してから潜伏期間があり、1〜2ヶ月またそれ以上とも言われていますので、1回目が陰性であっても、保護してから1ヶ月間は別室で隔離し、再度ウィルスチェックを行います。
費用も掛かるし、一回で済ませたい方は、保護して1ヶ月後にウィルスチェックをしてください。

この項目までが、保護した当日に病院でしてもらいたいこととなります。
獣医師と相談しながら、進めていってください。

隔離して、栄養たっぷり、太らせる

既に猫を飼育されている方は、必ず、1ヶ月は別室で隔離してください。
私は、服も着替え、手洗い、消毒を行います。

子猫であれば、社会化にとっても重要な時期になりますので、隔離しても色々な刺激を与えることを意識してください。様々なおもちゃで遊んだり、窓からお外の様子を見せたり(脱走防止策は確実に!)、抱っこしたり、一緒に寝たり、体のあちこち触れるように意識しながら行います。

あとは、痩せていれば、高栄養のご飯をあげます。
下痢をしない程度に、ご飯をしっかり食べさせ、体力をつけていきます。
あっという間に毛並みが良くなり、野良猫だった面影がなくなりますよ!

ワクチン接種

再度、検便してもらうときに、何も問題がなく、生後2、3ヶ月以上になっていれば、ワクチン接種もしてもらいましょう。
ワクチンは、主に3種・5種があります。


3種混合ワクチン
・猫ウィルス性鼻気管炎
・猫カリシウィルス感染症
・猫汎白血球減少症

5種混合ワクチン
上記に加え、
・猫白血病
・猫クラミジア感染症

3種か5種か獣医師と相談しながら、決めていきましょう。
ワクチンの副作用の可能性があるため、午前中の診察で接種してもらうことをお勧めします。

更に、不妊手術の予約を取っておきましょう。

里親探し


保健所・愛護センター・警察に届け出て、マイクロチップも入ってなければ、里親探しを行っていきましょう。
里親募集サイトに登録

ペットのおうち
最も有名な里親探しサイトで、使用している人の数も多い。
件数がかなり多いので、頻繁に更新しないと他の記事に埋もれてしまうため、更新はこまめに行いましょう。

ハグー
こちらは、登録者数や記事は少なめですが、見てくれている人は多いため、応募されやすいサイトです。
使いやすく、兄弟で里親を探す場合、記事をコピーして使用できます。
こちらも月に1回は更新しましょう。

他にもたくさんのサイトがありますので、登録してください。
注意点は、問い合わせがあれば、必ず迅速に返信すること。
返信しなければ、使用出来なくなるサイトもありますので、必ず返信してください。

また、それと並行して、動物病院やお店などいろんなところにチラシを貼らせていただきましょう。
チラシは、「里親探し チラシ テンプレート」などで検索すると、簡単に作成することが出来ます。
それでも、難しければ、ココナラなどでチラシを作成してもらいましょう。
とっておきの可愛い写真を掲載してくださいね!

応募があっても、すぐに飛び付かず、必ず、審査を行い、身分確認証のコピーを頂き、同居する家族全員と会いましょう。必ず、ご自宅までお届けし、家の中の様子を確認、脱走防止柵も用意してもらってください。
また、誓約書や譲渡契約書を用意し、定期的に連絡がもらえるようにしてください。
これらを拒む人は、里親詐欺といって、虐待や殺す目的のために引き取る方がいますので、決してお譲りしないようにしてください。

不妊手術

不妊手術は、なるべくこちらで行いましょう。
まだ子猫で、不妊手術出来ないという場合は、里親さんにお届けした後、必ず確実にしてもらえているか確認してください。
不妊手術をしなければ、どんどん増えてしまいます。
せっかく1匹の尊い命を手間暇かけて救ったあなたの善意が無駄になってしまいます。むしろ、不幸な命を増やすきっかけにもなりかねないので、里親さんとよほどの信頼関係がない限りは、出来れば、こちらで行ってしまった方がいいでしょう。

野良猫専門の不妊病院、または、一般の病院で行ってもらってください。

野良猫専門の病院は、安価で、希望すれば、上記の項目を1日で行ってくれます。
ただ、不妊手術を目的としていますので、その他の詳しい検査が出来ないのと、術前の検査などを省いて手術しますので、先天性の病気や目に見えない内臓疾患などの有無を事前に知ることが出来ない為、麻酔のリスクはあります。
術後すぐにリターン(野良猫を元いた場所に戻して地域猫として見守っていく)しても問題がないように、傷口は非常に小さく、負担が少ない病院が多いです。

一般の病院は、お値段は掛かりますが、術前検査をしっかり行い、より安全に麻酔をかけて手術を行います。予算に余裕があり、安全な方を取るのであれば、一般の病院をお勧めします。

それぞれメリットデメリットが違いますので、予算に応じて行ってください。

自分で保護できない!

庭で子猫が鳴いていて、迷惑している。引き取って欲しい。
可哀想な子猫がいます。でも、自分は保護できないからお願いします。
あの地域、たくさん猫が生まれていて、みんなお腹を空かせています。どうにかしてください。
保護するのが保護団体さん、保護猫カフェの仕事でしょ!と、電話を掛けてくる方が春から秋にかけて増えます。

まず理解して欲しいのが、猫を保護して、ケアして、それを仕事として行っている人はいないということです。「じゃあ、どこで引き取ってくれるの?」と聞かれますが、引き取ることが当たり前なところはありません。

迷い猫、野良猫の子をわざわざ捕まえて保健所に連れていって、良いことしたと思っている方、たまにいますが、生き延びる可能性のあった子を殺処分対象にしてしまっているだけのことです。
保護団体さんやボランティアさんにお願いして、猫助けした気分になっている方いますが、人に丸投げしただけです。

人に丸投げする前に、自分に出来ることはないか考えてみてください。
猫を保護したら、初期医療をかけて、里親を探す必要があります。その労力、資金は無限にはどこにもないのです。
引き取り依頼を無限に受け入れている団体は、遠かれ早かれ、多頭飼育崩壊を起こします。起こさなくても、数が増えれば、一匹にかける医療やお世話の時間はどんどん削られていくのです。

まず自分に出来ることを考える。自分に出来ることをしながら、出来ないことがあれば、出来る人を探す。
これが最低限してもらいたいことです。
他の人や保護団体さんにお願いしたのであれば、最低限、初期医療はお支払いしてください。そして、それが当たり前のことと思わないでください。好きでしていることだと思わないでください。
とても大変な責任のあることなのです。

ですが、迷わず、助けを求めている小さな命に手を差し伸べ、自分が出来ることをして、命を繋いで欲しいと思います。そして出来ることなら、ずっとの家族へと命を繋ぎ、その後も見守っていただければ、どんな命を救うことが出来たのか、また、どんな家族になって幸せに暮らせたのかまで、知ることが出来ると思います。

コメント