
保護団体さんから、
猫を迎えたいんだけど、
審査って厳しいの?

里親になる審査が
通りやすい方法を教えて。
コロナ禍の影響で、自宅勤務となり、保護犬保護猫をお迎えする方が増えているそうです。
保護団体さん、保護猫カフェ、保護犬カフェから引き取って、里親になるときに、必ず審査があります。審査って聞いて、不安になられる方もいらっしゃるかと思います。絶対にこの子を引き取って家族になりたい!と強く思われたなら、尚のことです。
今回は、この審査がなぜあるのか、内容や、通りやすくなる方法はあるのかをお伝えしていきます。
この記事を読んで理解できること
- 里親になる審査の必要性
- 一般的な審査の方法や手順
- 審査で聞かれる内容
- 合格しやすい方法は?
- 小さい子供がいると審査は通らない?
審査はなぜ必要なのか?
保護犬や保護猫の里親になるのに、なぜ審査が必要なの?せっかく命を助けてあげようと思ったのに・・・そうおっしゃる方は少なくありません。
審査の必要性について話すとき、まずは、保護された犬や猫の存在について知ってほしいと思います。
保護犬・保護猫とは?
愛護センター、保健所に収容されている猫は、「飼えなくなったから」「庭に来て迷惑だから」と身勝手な理由で人間が持ち込んだ猫です。
犬の場合は、人間が持ち込む他に、野犬の子として生まれ、収容されていることもあります。
そうした犬や猫は、譲渡されるか処分されるかのどちらかになります。愛護センターによっては、殺処分ゼロを目標に掲げ、積極的に譲渡しているところもありますが、一定の日にちが経てば殺処分となるところがまだまだ日本では多く存在しています。
そうした犬や猫を引き出し、病気を治療し、愛情を持って心身のケアをし、ワクチン・不妊手術などの初期医療を施してくれているのが、保護団体さん、個人ボランティアさん、保護猫・保護犬カフェです。
引き出した当初は、表情がなかったり、栄養状態が悪く痩せていたり、攻撃性があったり、人間を信じていない子もいます。
そうした犬や猫が一心に愛情を受け、「可愛い」と毎日言ってもらい、献身的に心身のケアをしてもらうことで、見違えるほど可愛くなり、また動物自身も自信を取り戻していくのです。この過程に、医療費や労力、それ以上に懸けられている愛情は計り知れません。
引き取って里親になろうとしている保護猫、保護犬は、人に捨てられたり、人を信用していなかった過去を持っていて、2度と同じ目に会わないようにしてあげる必要があり、また、里親募集となるまでに誰かの愛情を受け、献身的にケアしてもらった、たくさんの誰かの大切な子たちなのです。
私の働いていた保護猫カフェでは、保護団体さんが愛護センターから引き出して、初期医療や隔離、心身のケア、人馴れをしてくださり、私たちがカフェで預かり、ボランティアさんと一緒に引き続き人馴れ訓練や問題行動の改善、日々のお世話をして、里親さんを見つけるという流れでした。
里親さん家族に繋がるまでの間に、お客様も含め、実にたくさんの方々の愛情を受けることになります。そうやって、人間は信用しても良いことを猫や犬に伝えていくのです。
里親さんへと送り出した子たちは、ずっとずっと幸せに暮らして欲しいと思いながら、献身的にケアをするのです。
里親詐欺対策
保護猫、保護犬を虐待や虐殺目的で引き取る許し難い惨い人間もいます。一人で来るとは決まっておらず、夫婦だったり、家族だったりするそうです。どんなに素敵な方に見えても、可能性としては排除しきれません。虐待している様子の動画や遺体を送りつけてくる人もいるそうです。
これらを100%防ぐことは不可能に近いのですが、できる限り100%に近い確率で防ぐために、身分証明書のご提示や審査をお願いしています。
また、そうやってあからさまではないものの、ネグレクトと言って、引き取った子に関心がなくなったり、飼育放棄をしたり、最低限のご飯しか与えず、最低限にも満たないお世話しかしない方もいます。
そういう人たちにお譲りすることがないよう、限られた回数の面会などで、判断していく必要があります。
気になる審査方法・審査内容とは
審査方法
審査方法は、保護団体さん、個人ボランティアさん、保護猫カフェなどによって異なりますが、アンケートを記載してもらって、面会に何度か来てもらうことが一般的には多いです。
その日に連れて帰るということは、保護している立場から言うと、あってはならないことです。命あるものを迎え入れる際は、必ずご家族全員とよく話し合って、日にちが経っても意思に変わりはないか考えて欲しいからです。
また、面談には、同意が得られているか確認のため、ご家族全員でお越しいただくことが多いです。
審査で聞かれること
こちらも、その場所によって異なることを予めお伝えしておきます。
- 住所など個人情報
- 家族構成
- 家の間取り
- ペット可物件か
- お留守番の時間
- 脱走防止策について
- 先住動物のこと
- 以前飼っていた動物のこと
- 保証人のこと
- どうして迎え入れることを考えられたか
一例としてお考えください。
ペット可物件にお住まいじゃないのに、里親を希望される方はいらっしゃいます。団地など、みんなが飼っているから大丈夫だと言って、希望されますが、ペット可物件かどうかは、こちらでもマンション名などで確認を取ります。
家の間取りについては、広さも審査対象とはなりますが、脱走防止策について一緒に考えていきたいので、確認します。お留守番の時間も長いと譲渡出来ないわけではなく、長い場合は、里親さんによっては多頭飼育をお勧めして、お留守番の間も寂しくないようにします。
保証人は、自分が万が一、病気や亡くなったりして飼えなくなってしまった場合に引き取ってくれたり、責任を持って里親さんを探してくれる人を指します。
こちらは聞かれない場合もありますが、普段から何かあった場合そういう人を探しておくことをお勧めします。

合格しやすい方法ってある?
私の勤めていた保護猫カフェでは、実は審査の合格ラインの基準はありませんでした。
猫の寿命は長い子だと20年以上になります。
その間、何があっても、家族と同じように接し、一生涯大切にしてくださるかをどんな質問の答えの中にも感じられるか、考えながらお話ししています。
審査は、落とすためにあるものではありません。
猫や犬たちが、一生涯幸せに暮らせるかどうかを見極めるためにあります。
アドバイスするとしたら、
・面談では、緊張せず普段通り振る舞うこと
「何聞かれるのかな?」「粗相がないようにしっかりしなくちゃ!」と引き取りたいお気持ちが強ければ強いほど、構えてしまうと思います。
実際に、すごく構えていらっしゃって、本心がなかなか見えない方もいらっしゃいます。猫好きな人と猫談義をするつもりで、リラックスして臨みましょう!
・猫や犬の飼育のプロの意見をしっかり取り入れていく
脱走防止策や飼育方法、フードなど、提案があれば、しっかり話しあってぜひ取り入れてください。疑問があるところは、しっかり聞いて、納得した上で取り入れましょう。
今までに飼っていたことがある人が陥ってしまうのは、「今までの子は大丈夫だったから。」という意見。
今までの子が大丈夫でも、人間100人いれば同じ人は一人もいないように、猫も犬も同じです。今までの子が大丈夫でも、今から引き取ろうとしている子たちはそうではないかもしれません。
また、猫を飼ってきた経験はあっても、猫のことをしっかり学んだことはない方が多いと思います。いい機会にたくさん質問して、納得したら、ぜひ取り入れてください。
特に脱走防止策については、しっかりと取り組みましょう。どんなに万全に対策を施しても、譲渡後にお外に出ちゃう子はいます。生きて戻ってこれる保証はどこにもありません。
・引き取りたい子への愛情をしっかり伝える
通える場所であれば、何度も通って、実際に会って、猫にも自分を選んでもらいましょう。そうすることで、猫にもスタッフにも愛情を伝えることが出来ます。
小さい子供がいると、審査は通らない?
こちらもケースバイケースです。
小さいお子さんやこれから子供さんが生まれるといった場合、譲渡するにもリスクがあります。例えば、お子さんが動物アレルギーを発症して、もう飼えないと言われる可能性があります。これは可能性の問題ですが、重度のアレルギーを発症した場合、手放す必要性が出てくると思います。そこで、保証人の方がどんな方で、本当に何かあれば引き取ってくださるのかが重要になってきます。
また、お子さんが未就学生の場合、猫や犬とうまく接することが出来なかったり、猫や犬にとってストレスになると判断した場合はお断りすることもあります。お子さんが苦手な動物はとても多いです。猫カフェでも、小さなお子さんが入ってくると自然と猫たちは、寝たふりを始めるか、そそくさと逃げて姿を現しません(笑)小さなお子さんがいる場合は、もう少し大きくなってから、引き取りを考えるというのもひとつではないでしょうか。
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